沖縄・那覇市の伝統的な染色技法「琉球びんがた」。琉球びんがたが正式名称ではありますが、「紅型(びんがた)」とも呼ばれ、「紅」は色、「型」は模様のことを表しています。
紅型の魅力は、鮮明な色彩、大胆な配色、そして沖縄のゆたかな自然や風土を反映させた文様にあります。13世紀から起源を持ち、古くは王族や士族が身につけたとされる伝統工芸品は、今なおその独特な美しさ・華やかさで人々を魅了し続けています。
そんな琉球びんがたの魅力を全世界に広める活動を担うのが、一般社団法人「琉球びんがた普及伝承コンソーシアム」。琉球びんがた事業協同組合、琉球びんがた職人、民間企業との連携を主軸に置き、現在は無断で使われていることが多い紅型を健全に使用できる環境に整えるためのライセンスの発行や、先人たちによる数々の作品、受け継がれた職人たちの技術を未来につなげ、産業として活性化させる活動を行っています。
活動は多岐にわたり、複数の職人が手掛けた紅型のデザインを活用したJTA機内用のヘッドレストカバーのプロデュースや、「najimu」というライフスタイルブランドの立ち上げを行い、タンブラーやランチョンマットの販売など様々です。
写真はコンソーシアム事務局長の小渡晋治さん。小渡さんはコンソーシアム設立について「伝統工芸の職人さんが、しっかりと生計を立てられる仕組みを作っていくことを第一に考えています」と話します。工芸品の職人さんは素晴らしい工芸品を継承し、手仕事を担っているにも関わらず、月の収入が10万円に満たないことが多いのだそう。アルバイトと掛け持ちで生計を立てている人も多いという現実があります。
「いい商品を手にとっても、その商品を誰が作っているのかが分からないことが多いので、デザインと職人さんとの紐付けを大切にしています。例えば商品にQRコードを付けて、読み取ると職人さんのストーリー紹介のページに飛ぶ仕組みをつくったり。商品を手にとった人に、どんな人がどんな想いで作っているのかを伝えることから始めていきたいと思っています」と小渡さんは語りました。