宮崎県は、鹿児島県・愛知県に次いで、生産量全国第3位を誇るうなぎの名産地。
中でも新富町の町沿いに流れる一ツ瀬川は、天然うなぎが獲れるほどうなぎ好みの水質をしています。
川の周辺には地下水が豊富に湧くため、その水を使い、自然に近い環境でうなぎを育てられる新富町は、宮崎県の中でも昔から養鰻の名地として知られています。
目利きが多い土地だからこそ、新富町のうなぎはおいしいのです。
朝6時。新富町内で最大級の規模を構える中村養鰻場にお邪魔しました。
ハウスの中は約30度に保たれ、カメラがすぐに湿気で曇るほど。
魚粉に有機カルシウムや魚油を足して練ったエサを仕込み、ハウスごとに与えていきます。この時、えさを食べる様子を観察することが何より大事。食いつきのよさなどによってどのくらいえさをやればいいか、池によってかなり違うからです。他にも、エラの張り具合や身の入り具合を熟練の職人の目で観察します。
中村養鰻場では、約100万匹ものウナギをこうして育てているのです。
うなぎの出荷は、夏の土用の丑の日がある7月に向けた出荷がほとんど。11・12月頃に稚魚のシラスを仕入れ、約7カ月近くで理想のサイズ・肉質を目指して育てていきます。
どの月齢でどれぐらいの体重にしていくか、体重管理はかなり技術が必要。いかにうまく育てていくかは、それぞれの養鰻業者の腕にかかっています。柔らかく、脂がのったうなぎになるように、そして病気をしないように心を配って育てていきます。
「自分の子どもよりよく見ているかな(笑)。人間の赤ちゃんは泣いたり、声を出したりして教えてくれるけど、ウナギはずっと見ていないとどうしてほしいのか分からない。母親業ですよ。『生き物を養うなんて大変でしょう』とよく言われるんですが、自分が夢中になってやっているこだから苦労に感じたことは一度もないですね」
中村養鰻場オリジナルブランド「味鰻(あじまん)」は、そんな自慢のうなぎを真空パックで冷蔵しつつ、しっかりと弾力のある肉厚さに仕上げた絶品の蒲焼きです。
「一ツ瀬にうなぎが上ってくるということは、うなぎが好きな水質、環境ということ。その水で、川に近い環境で育てているのが、新富のうなぎの強み。もっともっと知ってもらわないといけないよね」(中村さん)
「宮崎といえばうなぎ」という誇りを持って、これからも、わが子同然のうなぎを全国に送り届けます。
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