お味噌の出来を最も左右するといわれるのが麹(こうじ)。明治時代に造られた麹室(こうじむろ:麹をつくる部屋)が現代でも大活躍。冬場はマイナス10℃を下回る夜もあり温度管理には神経を使います。
みそ製造の責任者は、宮崎県高千穂町から通勤。県境で隣り町なので通勤可能です。とはいっても味噌仕込みのための麹(こうじ)を造る作業中は夜中に起床して頑張ってくれています。お客様の「おいしい笑顔」を想い浮かべながら。
阿蘇マルキチ醤油の蔵は標高555メートルの高冷地。夏は涼しく、冬は九州の中でも最も寒いと思われる極寒の盆地にあります。南阿蘇の外輪山に降った雨は永い時間を経て磨かれた名水となって高森町を潤してくれます。
「口にして美味しくない水から美味しいものはできない」と豊前屋本店初代創業者は、そう考えました。創業以来、綿々と引き継がれていた伝統の技と情熱、新しい味覚を求める「こだわり」の品造りは、社員一人ひとりの心に刻まれています。
創業150余年を迎えた蔵ですが、現在に至るまでには戦争や水害、熊本地震など様々な困難の連続だったと思います。そのような中、先人たちが守り抜いてくれた阿蘇という名の大自然の蔵でゆっくりと時を重ね、熟成した醸造品の数々。これらを皆様のもとにお届けする事が豊前屋本店の使命だと考えています。