香蘭社×吉野ヶ里町の限定コラボ商品の企画に際し、香蘭社の工場に眠っていた昔ながらの「型」に息を吹きこみ実現した特別な飯碗です。
吉野ヶ里町のシンボルである「吉野ヶ里遺跡」を吹き墨の技法で器の上部をぼかして色付けすることにより、
夕暮れの厳かな雰囲気を表現しております。
器にはあえて高台をつくらず、底の面積を広くとっておりますので、倒れにくい作りとなっています。
初代深川栄左衛門が佐賀県有田町で陶磁器の製造をはじめたのが、江戸文化が花開いた元禄の頃。
およそ三百年前のことです。やがて日本にも近代化の波が訪れ、明治維新の激動期には、
これまで有田焼を支えてきた佐賀鍋島藩の一切の保護と支援を失ってしまいます。
そんな中、八代深川栄左衛門は、当時の選りすぐりの陶工や絵付師、陶商たちを一つにまとめ、
結社をつくりました。それが香蘭社のはじまりです。明治八年の発足以降、世界各国で開かれた万国博で数々の名誉金牌を受賞。海外でその評価を高めるとともに、明治二十九年には、宮内省御用達の栄を授かり今日に及んでいます。
有田色絵磁器の多様な文様を集大成し、時代と共に進化する伝統美は、「香蘭社スタイル」「香蘭社調」と称され、国内外で広く愛されています。