福岡県東部の豊前市にある「みやこハム」。1955年に創業し、福岡エリアだけでなく、大分県北部でも熱い支持を集めるハム・ウインナー屋さんです。大手メーカーに比べると、規模は小さく生産量が限られているものの、「ちょっといいハムやウインナーは、みやこハムで」という熱心なファンを多く持ちます。「うちの強みは、多品種少量生産」と社長の岩﨑俊樹(いわさき としき)さん。大手にはできない、小回りの良さを生かした商品づくりに取り組みます。
みやこハムでは、サイズやカットの違いを含めてハムやウインナーなど150~200種の商品を製造・販売しています。中には、1年で10個程度しか仕込まない塊のハムも。でも、「おいしいと言ってもらえるものを作りたい」という思いから、作業効率は二の次。肉が持つ自然なうま味を生かすべく、下味を付けてじっくりと熟成させ、桜の原木を使って数回に分けいぶして仕上げるという丁寧な工程にこだわります。
またその味や技術力も確かなものです。過去には、本場ドイツで開催されたハム・ソーセージのコンテスト「SÜFFA(ズーファ)」に挑戦。味、食感、香り、見た目など200項目で満点が必要となる金賞を、多くの商品で受賞しました。さらにドイツからマイスターが工場を訪れ、指導してもらったことも。まさに、本場・ドイツが認める味なのです。
これまでにも、豊前市の名産品・棚田ゆずや福岡の茶の産地・八女市の八女茶など、九州のうまいもんとコラボし、商品づくりに取り組んできたみやこハム。豊前市にある「道の駅 豊前おこしかけ」には、アンテナショップを出店しています。ずらりと並んだハムやソーセージは、目移りしてしまう種類の多さ。観光客だけでなく、地元の常連さんも多く訪れます。