1.鰹(カツオ)の味は千差万別!!
昔から日本人に
愛されてきた鰹(カツオ)。
1年をかけて太平洋を
回遊するカツオは、その時期や場所に
よって身質が変化します。
さらに重要な鮮度は
漁法、保管方法、流通などで
大きく差がでます。
同じ時期や場所で同じ漁師が
釣ってきたカツオでも、
それぞれの個体差があり、
長年、カツオと向き合ってきた魚屋でも
切ってみないとわからないという
とても難しく、また面白い魚です。
2.「カツオにうるさい町」で
鍛えられた目利き力!!
鰹の國!中土佐町久礼は、
鰹の消費量日本一の高知県のなかでも、
さらに「カツオにうるさい町」として
知られています。
それは久礼が400年以上前から続く
「土佐の一本釣り」の漁師町だからです。
魚屋に漁師がカツオを求めて
買いに来るのは日常の風景です。
カツオのプロに認められる魚屋のプロになりたいと、毎日が真剣勝負でカツオと向き合ってます。
そのおかげで、鰹の選別(目利き)の力がついてきました。
今では、田中鮮魚店が選んだ鰹(カツオ)だから間違いないという理由で、町外県外の個人や料亭からの注文をいただけるようになりました。
3.今まで続いた100年!
これから続ける100年!!
田中鮮魚店は、僕が4代目で創業100年ぐらいになります。
魚屋を継ぐと決心して戻ってきたときは、
とにかく漁師に認められる魚屋になりたい一心で、
毎日鰹と向かい合っていましたが、修業している間に久礼の船がどんどん廃業していきました。
小さな漁師町ですので、漁師が幼馴染であったり、先輩や後輩であったりします。
本来、漁師と魚屋は一心同体なのです。
大きな流通の中にいると、それはぼやけて見えるかもしれませんが、地元の漁師がいなくなっても、県外から魚を仕入れれば魚屋はやっていけます。
しかし、僕がもどってきて魚屋を継いだのは、ただ魚屋を続けていくためだけなのかなと自問自答し出した答えが「この町で漁師とともに暮らす魚屋であり続けたい」でした。
4.土佐の一本釣りの町が続いていくために
漁師町で漁師とともに暮らす魚屋として、一番大事なことは、カツオの価値を維持していくことです。
カツオの価格は、鮮度や身質だけでなく大漁や不漁などの漁模様によっても変化するので価格を一定維持することは困難ですが、そこが、魚屋の腕の見せ所だと信じています。
とにかく美味しいカツオを提供すること。逆に言えばまずい鰹は売らないということです。
当たり前と思うかもしれませんが、鰹の身質は多様で自分が旨い(売れる)と思った鰹でもまずいと言われることが若いうちはありました。
また、鰹で商売しているものにとって、せっかく仕入れた鰹を売らないということは、とても勇気のいることでした。
先代の世代からは「お前はバカか?」という目でみられていました(笑)
しかし、カツオの価値を決めるのは漁師や魚屋だけでなく、実際に食べて美味しいと思ってくれるお客さんがいてくれて初めて価値が決まるのです。
多くの方に美味しい鰹を提供して、感動していただいてカツオの価値(=漁師と魚屋が暮らしていける適正価格)を維持していくことが鰹の國!漁師町で漁師とともに生きていく魚屋としての使命だと勝手に思いながら、今日も、カツオと漁師、そして鰹ファンの人々と真剣勝負の日々を送っています。
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