島根県飯南町は出雲国風土記にも登場する、神話の世界とも結びつきがある長い歴史を持つ地域です。その神話の世界とも関係が深い自然哲学に「五行思想」というものがあります。神社の「五色幡」をはじめ、日本の文化の中でもさまざまなところで五つの色が使われれています。五色とは四季の移ろいの中で、自然の一部として生かされている自分を自覚することを表していると言われ、近年注目されているエコロジーの考えの基礎にもなっています。
私たちは、ここ飯南町で受け継がれてきた四季の移ろいと共に在る暮らしそのものが五行思想に通じているようにも感じます。そんな美しい風景をこの先も写していくことができるよう、地域循環の一つの形として飯南町のヒノキを使用したフォトフレームを作りました。
自然豊かな農山村地域である飯南町の四季の風景・暮らしに着想した5色を。
地元の山で立派に育ったヒノキ本来の色がそのまま活きる「無垢(ムク)」
象徴的にそびえる推定樹齢200年の張戸のお大師桜の淡い桃色「春桜(サクラ)」
山あいの田んぼの上に広がる夏空色の「夏空(ソラ)」
琴引山の山並みのすきまから稲穂を照らす秋の夕日のような朱色「秋夕(ユウ)」
しんしんと降る雪に覆われた風景のように柔らかな白色「冬雪(ユキ)」
四季の営みと共に暮らしてきた人々のささやかで豊かな営みが折り重なることで生み出されてきました。
まちの約90%が森林に覆われ、人々の暮らしと森の関係が密接だった飯南町。写真家の方々の目線からもご協力をいただき、飯南町の森と木を熟知する職人の手によって生まれるシンプルで高品質なフレームは幅広い作風の写真に心地よい品格をもたらします。飯南町産ヒノキの無垢材を使用し、可能な限り細幅の仕様にすることで、主役である写真を魅力的に伝え、インテリアとして伝統的な日本家屋から現代のモダンな居住空間にも存在できる一品となりました。
※木目は一点一点違うため、写真の木目とは同じではありません。自然の木目をお楽しみください。
飯南町の歴史文化、建築物、人々の生活などを観察し、森と暮らしの縁を再び繋ぐことで、暮らしがより豊かになる「森づくり」、「人づくり」、「まちづくり」に取り組んでいきます。