多数のテレビ番組や雑誌に取り上げられ、近年注目されつつある築野(つの)食品工業株式会社の「こめ油」をご存知ですか。 何を隠そう我が家もテレビ番組でその良さを知り、愛用しているリピーターです。
築野食品は全国8カ所に工場や営業所を構える老舗の大手企業なのですが、その本社は、高野山の麓にある人口約1万6000人の和歌山県伊都郡かつらぎ町に構えられています。
かつらぎ町は、“世界遺産とフルーツのまち”です。世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一つ・丹生都比売(にうつひめ)神社を代表とする多数の史跡が点在する「天野の里」は「にほんの里100選」に選ばれ、原風景が残る豊かな自然は「フルーツ王国かつらぎ」と称されるほど一年中さまざまな果物を実らせています。
潤沢な地域資源を持つこの町から誕生した、「こめ油」の舞台裏をのぞいてみましょう。
「こめ油」の原料は、精米の際に出てくる米ぬかと米胚芽です。かつらぎ町をはじめとする国産のものだけを使用しています。玄米100kgから抽出される「こめ油」は、わずか1kg。そこに、“若返りビタミン”とも呼ばれるビタミンEやトコトリエノールなどの栄養成分が、ぎゅっと凝縮されているのです。
一般的な食用油と比較すると、国産ということもあり少々お値段は張るものの、体に優しいメリットが多いのが特徴。植物ステロールをたくさん含んでいることから、細胞機能の低下・老化・動脈硬化・肌荒れ・胃もたれを防ぐ効果があると期待され、さらに悪玉コレステロールの吸収を抑える作用があるともいわれてています。
加えて、油特有のニオイが発生しづらく、ベタつきが少ないため洗い物が楽になり、油切れがよく揚げものがサクッと仕上がる...…など、メリットが多数あります。揚げ油が劣化しづらいことからも「安い油よりコスパがいいかも」と思わせてくれる逸品です。
そんな「こめ油」を製造している築野食品は、一体どんな企業なのでしょう。「こめ油」など、かつらぎ町が用意する約80種類のふるさと納税品を管理する、NPO法人かつらぎフルーツ王国振興公社の皆さんに伺いました。
創立の経緯だけでなく作り手の人柄にも言及し「築野食品さんは昭和22年に『食糧の安定供給が図れる事業で社会に貢献したい』という思いから、農林省指定の精麦工場として創立された企業です。2代目の現代表・築野富美さんはとてもパワフルでポジティブな女性。彼女の代から『こめ油』や化粧品づくりなど事業展開を積極的に行っています。また、人と人の輪を重んじる人柄で、社内だけでなく地域の人にも慕われているんですよ」と、副理事長 中前光雄さんは話してくださいました。
現在、食品や化粧品、化学、医療など事業内容は多岐にわたり、世界40カ国以上の市場で流通しています。どれだけ企業規模が拡大しても築野さんは変わらず、かつらぎ町を活動の拠点としているそうです。
築野さんの人柄を反映するように、「こめ油」はISOなどの認証を受けた製造ラインで徹底した衛生管理体制のもと、自然環境にも配慮しながら丁寧に製造されています。
この努力の結果、「こめ油」は「フード・アクション・ニッポン アワード2012 商品部門優秀賞」 を受賞。築野食品としても2015年に「第36回食品産業優良企業等表彰事業」 の農林水産大臣賞を受賞し、2019年には「第53回 グッドカンパニー大賞」にて特別賞を受賞するという好成績を誇っています。
「こめ油」のユーザーからは「一度使うと手放せない」との声も多く聞かれます。なかには、Tスプーンで毎日一杯飲むことを日課にしている肌艶の美しいご高齢の女性リピーターもいるそうです。
かつらぎフルーツ王国振興公社の皆さんにおすすめの調理法を尋ねたところ「やっぱり一番は揚げものですね。サクッとおいしく、良質な油が長持ちします。あと、ご飯を炊く時に小さじ1杯の『こめ油』を垂らすのもおすすめです。艶のあるふっくらとした仕上がりになります」と教えてくださいました。
最後に「こめ油」をはじめとする地元愛にあふれる作り手の商品を多数取り扱っているかつらぎフルーツ王国振興公社の方々に、今後のかつらぎ町に対する思いや展望を聞かせていただきました。
副理事長 中前光雄さん「かつらぎ町には風光明媚な山々と雄大な紀ノ川があり、農業や観光業が発達しています。さらに、築野食品さんのように世界的に活躍されている企業も多く、工業も盛んです。今後も『こめ油』などの優れた商品を介して、発展し続けるかつらぎ町の可能性を発信していきます」
これまで私は「こめ油」について「健康的でおいしい」とだけ思っていましたが、今回の取材で出会った方々のおかげで、さらに味わい深いものとなりました。作り手や地域の人々の思いが詰まった「こめ油」。あなたもふるさと納税という形で体験してみませんか。