閑静な住宅街を通り抜けると突然大きな建物、ワンダーシェフ本社が現れます。工場を設立した当初、周りは田んぼばかりだったそうです。そんな昔から豊中の町と共に発展してきた町工場でもあります。
「設立時はお玉や洗い桶、計量カップなどのアルミ製品を製造する会社でした。圧力鍋を作り始めたのは1999年。当時、ヨーロッパ製の高級品か国産のアルミ品しかなかった日本市場に、ステンレス製の圧力鍋を発表したんです」
そう話してくれたのは、訪問を笑顔で迎えてくれた社長の伊藤彰浩さん。
これまで培ってきた製造技術と安全管理体制のもと製造した圧力鍋は多くのお客様から好評を受けたそうです。それ以来『おいしくて、楽しくて、幸せな食卓をつくること』を合言葉に、本格的に圧力鍋を製造するため、圧力鍋一本に事業を絞ってゆくことに。
さらに「お客さまの視点に立って考えること」という風土が定着している。例えばあるおばあちゃんから、別のメーカーの圧力鍋の使用方法について問い合わせがあった際も、スタッフが丁寧に、その圧力鍋メーカーに問い合わせしたことがあったそうです。
そのため圧力鍋も地域に合わせて、デザインや機能をローカライズさせて行く必要があるというのです。豊中の田んぼに囲まれたアルミ製品の町工場から、日本を代表する圧力鍋の会社となった今でも、どこまでもお客さま視点の社長でありました。