「銀閣寺大西」はその名の通り、銀閣寺の近くに本店を構える精肉店です。1953年に創業し、精肉店のほか、現在では惣菜店や焼き肉レストランも展開。およそ20店が京都を中心に営業し、お肉好きな京都の人々を満足させている名店です。また近年では、シンガポールにも進出。日本の和牛文化を海外に発信しています。
今回ご紹介する返礼品は、京都府のブランド牛「京都肉」の中でも、銀閣寺大西のオリジナルブランド「京丹波平井牛」を中心にお届けします(仕入れの都合上、京丹波平井牛以外の京都牛の場合もあります)。しっとりしていて、きめが細かく、指で押すだけで脂がとけるほど融点が低さ。口どけの良さには絶対の自信を持っています。
本店の店内に入ってみると、驚くのはその充実したラインアップ。サーロインステーキ、赤身、和牛二度挽きミンチなど……。さまざまな肉のさまざまな部位がズラリ。そしてその奥では職人たちが黙々とお肉をさばいています。
「牛肉は一頭買いで仕入れています。市場にあまり出回らない部位も店頭に並ぶことがあるんです。僕が好きなのは、牛の前足のすねのところの肉。牛一頭で1キロもないんですけど、コリコリした食感で、焼き肉で食べると抜群ですよ!」と話すのは、株式会社銀閣寺大西小売事業部 店舗管理・企画室課長の堀江義明さん(下写真右)。
霜降りの量や赤身の質など、見た目だけでは分からない味の〝濃さ〟に違いがあるのが牛肉の奥深いところ。それを一頭買いで仕入れるには、肉を見極める目がないとできないことです。
銀閣寺大西の社長は年間で一万頭を選んでいる確かな目の持ち主。「牛の血統、飼育方法、餌、環境、水、ストレス。いろいろな要因に肉質は左右されます。社長が見て、肉を選ぶ、その〝目利き〟はもちろん、それに加えて、生産者とも交流をして、こだわりに共感できる肉を仕入れています」と小売販売部 本店チーム店長の村山達也さん(写真左)も、肉質には絶対の自信を持っています。
この目利きで仕入れた牛肉は、約二週間、枝肉にして骨がついた状態で吊っておく「ドライエイジング」を行います。こうすることで牛肉は熟成され、うま味成分がギュッと増えるのだそう。
熟成期間を過ごした後はプロセスセンターへ運ばれ、捌かれます。ここは食の安全性を確保するため、製造全工程の高度な管理システムを全面的に取り入れた、いわば銀閣寺大西の心臓部といえる施設。危機管理、衛生面、すべてに徹底して取り組み、万全を期した環境で、安心して食べられる製品をつくっています。2001年には食肉小売・卸業界で初めて世界最高水準の衛生管理の指標「HACCP(ハサップ)」を取得し、さらに2006年、京都市の「食品衛生特別優良施設」表彰も受けています。安全性を重視するその姿勢には、丹精込めて牛を育てた生産者への想いも感じられます。
銀閣寺大西で販売している京都肉はほとんどが京丹波平井牛。銀閣寺大西が、南丹(なんたん)市の京都丹波牧場の平井一三さん(写真右・故人)と平井和恵さん(写真左)とつくり出したオリジナルブランドです。自然豊かな京都丹波牧場では、地下150mから湧き出す地下水と一頭一頭に合わせた配合の餌で育てています。また、牛の肉質には、ストレスが大きく影響するため、清潔な牛舎で平井さんとスキンシップをとりながら、ストレスフリーで育てているのも特徴です。
そしてもう一つの特徴が「長期飼育」。全国でも有名な牛の生産者である平井一三さんは、長期飼育にこだわっていました。「長く育てることで旨み成分であるオレイン酸の含有量が増え、融点が下がり、風味良く喉越しも良くなります。牛はだいたい月齢で27~28カ月で出荷します。早く出荷してサイクルをあげるのが事業としては収益が上がる方法ですが、平井さんはおいしい牛を作りたいという信念のもと、35か月齢を超える期間の肥育を経て出荷する方法を取られ、今は和恵さんが受け継いでいます。平井さんは長く肥育することを『体内熟成』と呼ばれているのですが、そういった牛の持つ能力を最大限に引き出した状態で出荷していただける、それがおいしさの秘訣だと思います」と銀閣寺大西の堀江さん。
銀閣寺大西、そして京都丹波牧場のこだわりが詰まった返礼品。とろける舌触りとともに、しっかりとしたうま味をたたえた京丹波平井牛は、京都の食へのこだわりが感じられる一品です。