木曽川中流域に位置する岐阜県八百津町は川船が遡ることのできる最終地点であり、江戸時代から大正期まで様々な物資の行き交う湊町として繁栄を遂げてきました。
現在では川が交通機関として使用されることもなくなりましたが、その山紫水明の美しい風景は飛騨木曽川国定公園として指定され、各方面からの観光客も集めております。
八百津町のこうした歴史的背景と良質な伏流水は様々な特産品をも生み出しました。
日本酒を始めとする各種醸造業もその一つで、当蔵元はまさに八百津町が物資の流通に重要な役割を果たしていた明治中期の1886(明治19)年に創業いたしました。
経営者杜氏(とうじ)の元に小仕込みで製造を行い、袋吊りや全国的に数少なくなった「ヤヱガキ搾り機」を用いて搾りを区別したこだわりの酒を提供し続けています。
軟水の特色を生かした丸みのある柔らかな味わいを目指して醸しており、2015年には岐阜県新酒鑑評会「純米の部」において最高位の県知事賞を獲得いたしました。