江戸時代より400年つづく甲斐絹(海気)織の流れを受け継ぐ先染織物で作った傘です。明治40年頃フランスより桐生・伊勢崎・足利方面に伝わったほぐし織。甲斐絹の中でも特異な技法の「絵甲斐絹」(昭和18年滅)があった山梨に八王子を経て伝わり、先染め織物の中でも特異な技法の織物として洋傘を中心に脈々と受け継がれる逸品です。
■生産者の声
誰もが1本は持っていたくなるような傘に仕上げました。何人もの職人の手を経て、つくり上げられる「ほぐし織」は、先染織物の中でもとびきり手間のかかる織物です。それゆえに大切に末永く使っていただければ幸いです。
提供元:舟久保織物
「ほぐし織」は手間と時間をかけて丁寧に織られる、全国でも手掛けるところが少ない伝統の織物です。まず横糸を粗く織り込む仮織りをし、型を使って手染めした後、仮織りした糸を一本一本ほぐして改めて本織りを行います。プリントでは表現できない奥行きのある表情豊かな織物であり、普通の織物の何倍もの時間と高い技術を要します。さらに研究を重ねていくことで、ほぐし織の世界はもっと広がっていくと思います。そして将来的には織物産地・富士吉田の特色の一つとして育てていきたいと考えています。
提供元:舟久保織物
富士吉田市は、富士山の北側、富士五湖地域の中東部に位置し、標高700~900メートルに市街地を形成する高原都市です。古くから富士山信仰の町として栄え、現在でも多くの登山者が富士山頂を目指し吉田口登山道を利用しています。また、明治以降、織物が近代産業として脚光を浴びて以来、富士山の湧き水による先染め織物は本市を代表する特産品です。
富士山の雄大な自然環境は、市民にかぎりない恩恵を与えてくれています。富士吉田市では、富士山の恵み守り、後世に残していくため、ふるさと振興事業などさまざまな街づくりに取り組んでいます。