2015年の北陸新幹線開業以来、多くの観光客でにぎわう石川県金沢市。その中心地から南へ約40km車を走らせたところにある「加賀温泉郷」の山代温泉に、今回ご紹介する「よろづや観光」はあります。
加賀温泉郷は、4つの温泉地からなり、霊峰白山の恵みにより育まれた各温泉にはそれぞれに個性があり、様々なロケーションや泉質が楽しめます。また、このエリアは伝統工芸・九谷焼や山中塗の産地としても知られており、手作り体験や買い物ができるスポットも充実しています。
加賀温泉郷の一つ、なだらかな丘陵地にあり観光地の喧騒から少し離れた場所に位置するのが山代温泉。与謝野晶子を筆頭に数々の文化人を魅了してきたとされており、ゆったりと落ち着いた風情のある温泉街です。このエリアの特徴の一つが、歴史的な街並み「湯の曲輪(ゆのがわ)」です。
江戸時代の温泉場は、共同浴場を中心として街が作られていました。共同浴場の周りに温泉宿が立ち並び、湯治客は共同浴場に通ったり近辺を散策したりしながら、長期滞在をしていました。この共同浴場を「総湯(そうゆ)」、そして総湯を中心とした周囲の街並みを「湯の曲輪(ゆのがわ)」といい、北陸特有の呼び方となっています。山代温泉には2つの共同浴場があり、特に明治時代の総湯を復元した「古総湯(こそうゆ)」は、内装に施された九谷焼のタイルやステンドグラスが美しく、観光客に人気のスポットです。
そんな山代温泉で創業64年、「5つ星の宿」や「旅館100選」に認定された「瑠璃光(るりこう)」と姉妹館「葉渡莉(はとり)」、2つの温泉宿を経営するのが、よろづや観光です。クリエイティブな試みで全国的にも注目されており、加賀温泉郷の伝統文化に基づいたおもてなしの心を大切にしながら、これからの旅館に求められる新しいかたちの温泉の魅力を提案しています。
代表の萬谷浩幸(よろづやひろゆき)さんは、加賀温泉郷をPRするプロジェクト「レディー・カガ」や「加賀温泉郷フェス」の仕掛け人でもあります。「おもてなしは個性だ!」、「温泉エンターテイメント」をコンセプトに掲げ、限られた滞在時間を少しでも楽しんでもらおうと、館内では「加賀一向一揆太鼓」を上演したり様々なイベントを開催したりと、エンターテイメントに注力。自慢の温泉はもちろん、おもてなしの数々に、時を忘れて過ごすことができます。