「酒造りの神様」の異名をもつ日本最高峰の醸造家のひとり。
1970年代以降低迷を続けた日本酒市場で吟醸酒をいち早く広め、吟醸酒ブームの火付け役となる。
また戦後失われつつあった山廃仕込みの技術を復活させた立役者。
全国新酒鑑評会では、連続12回を含む通算27回の金賞受賞。
「綺麗な水が豊富にあること。そして空気がおいしいこと。」これが農口杜氏が言う、酒造りの場所の絶対条件でした。
杜氏と共に約1年をかけていくつもの候補地を探訪し検証を重ねたといいます。その結果加賀平野の中央に位置し、美しい田園風景が広がり、霊峰白山の頂に降った雪が溶けて幾重もの地層を通り抜け、ろ過を重ねた伏流水が豊富にある石川県小松市の「観音下(かながそ)」に出会うことができたそうです。
酒造りの場所の絶対条件にもあったように、酒造りに良いお水は欠かせません。この地で採れる水は白山連峰からの伏流水で、酒造りに申し分のないお水だといえます。また米は地元石川県産、及び富山県産の「五百万石」をはじめ、兵庫県産「山田錦」、長野県産「美山錦」などを厳選して酒米を使用しているそうです。
そして最後に酒造りのこだわりは、お酒を造る蔵人にあります。
農口杜氏の技術と精神を受け継ぐ、夢と情熱を持った若者の公募をし、多数の応募の中から7名の若き蔵人が採用され、農口杜氏は彼らと共に最後にして最高の「魂の酒」づくりに挑戦することとなりました。「酒造りの技術を極めたいという熱い思いを胸に秘めた、若い人たちとともに仕事をしたい。夢や情熱をもっている人に来てもらいたい」という農口杜氏の熱い思いを受けとめ、農口尚彦研究所は設立されました。