「哲弘」は江戸末期からの野鍛冶の系譜をうけて、累代桐生哲男が昭和初年に興した桐生製作所のブランドとして掲げられました。丁寧に造られる「哲弘」の小刀や包丁、鉈などの刃物はその卓越した品質が広く知られるところとなり、弟子職人を多く抱え、一定の量産力を持った高級ブランドに成長していきました。
鉄製ハガネの焼き入れは800度程度ですが、ステンレス鋼は1050度まで温度を上げなければなりません。ところが1050度まで温度を上げると厚い酸化被膜が形成されその後の加工がうまくいきません。そこで試行錯誤を繰り返し、技術面を問題視する築炉メーカーの反対意見に従わず、鋼材一本一本をコンベアのフックに引っかけて炉の中を通る無限軌道構造の自動炉を考案し作らせます。結果的にはこの型破りな炉から、厚い酸化被膜が形成されることのない優れた品質のステンレス包丁が生み出されることになりました。今では、新潟県のステンレス包丁はこの方式の加熱炉が主流です。
満足するものができるまで、何度も刃を確認し、研ぎを繰り返します。包丁一本一本に職人のプライドと魂が籠っています。
錆びにくく、切れ味が持続します。ぜひ料理の際のパートナーにお使いください。
・ご使用前に、食器用の洗剤で洗ってからご使用ください。
・塩気がついたままお手入れをせずに放置しておくと錆が出ることがあります。ご使用後は水洗いをして、十分に水気をふき取ってください。
・少しでも錆が出た場合、お手入れ方法としてクズ野菜にクレンザーをつけて磨くと錆が落ちやすいです。その後きれいに水洗いし、充分に水気をとって乾燥させて湿気のないところに保管してください。