山と海に囲まれた自然豊かな古都、神奈川県鎌倉市。外から訪れる人を受け入れ賑わう『小町通り』と対をなして、地元の人も多く行き交うのが「御成(おなり)通り」。ローカルなカフェや雑貨屋さんがずらりと並び、落ち着いた雰囲気を楽しめます。「鎌倉小川軒」は、この通りの中ほどに本店を構えています。
平日は地元のお客様、休日には観光客と多くの人でにぎわいます。店内にずらりと並ぶ焼菓子や、ショーケースに並ぶケーキやプリン、シュークリームに目を奪われます。不動の人気はレーズンウィッチですが、それ以外の店頭一番人気はシュークリームなんだとか。
「鎌倉小川軒」の歴史は、1988年に東京代官山の「小川軒」から暖簾分けのかたちで独立したことによりスタートしました。屋号を「お菓子の家・鎌倉小川軒」として、1989年に鎌倉本店と戸塚店をオープン。現在は、鎌倉本店・シァル鎌倉店・大船ルミネウィング店・藤沢小田急店・テラスモール湘南店・町田小田急店・戸塚工場直営店の7店舗で営業しています。
「鎌倉小川軒」は、1989年に創業してから30年を過ぎたところ。次の30年を見据え、リブランディングを図っているそうです。「鎌倉小川軒」代表取締役の中村友(なかむら・とも)さんは「これまでの30年の重みを感じつつも、次の30年を見据えて新しいことにもどんどんチャレンジしていきたいと思っています。お客様の世代も変わってきている中で、親から子へと、世代を越えて愛され続けるようなブランドにしていきたいですね」と話します。
リニューアルしたロゴにも、創業時の思いがそのまま宿っています。「フィルムにも印刷されている、五角形のロゴを目にしたことのある方も多いのではないかと思います。この五角形には、『お菓子の家・鎌倉小川軒』と名付け創業した当時の思いが込められており、“家”を表しているんです」。“家”というのは、温もりや安らぎを象徴するものなのではないかと、中村さん。「鎌倉小川軒」も、皆さんにとってそんな存在でありたいといいます。
ここ鎌倉本店には、唯一であるカフェコーナーも併設。「ラムレーズンソフト」など「鎌倉小川軒」らしいオリジナルのカフェメニューを楽しむことができます。「鎌倉は、古くからハイカラ好きの街として知られているし、食へのこだわりが強い人が多いんです。そんな中でも、地元のお客様にご愛顧いただいているし、愛情を持って接してくださっている。定番ももちろんのこと、次々と新しいものもお出しして、お客様を楽しませていきたいと思っています」。
中村さんのご実家も鎌倉にあり、小さな頃から親しんできたというこの地域。今後も、「現在の7店舗を中心に、目の届く範囲で事業を続けていきたい」といいます。