約30年もの長きに渡りバッグづくりに携わり、「一切作りの妥協をしないバッグを」をモットーに、東京・墨田区に立ち上げたのが「HIS-FACTORY」。非常に堅牢で強度があり、もし壊れても修理ができること、手触り・ツヤ・切ったときの感触など何もかも驚きがある、主にイタリアのベジタブルタンニングレザーを使うことが特徴。革の魅力を技で最大限に生かすものづくりを行なっている。
合切袋とは、携帯品などをいっさいがっさい入れる目的で使用する、口紐のついた手提げ袋のこと。和装によく似合う一品。本品は、この日本伝統の合切袋を新しい解釈でアウトプットした唯一無二の藤巻百貨店別注モデル。
合切袋には、しなやかさとちょうどいい厚さがあり、美しいエイジングによる風合いを求め、数ある革の中からイタリアの名門タンナーであるバダラッシー・カルロ社が手掛けるベジタブルタンニングレザーを採用。
合切袋特有の紐と本体とつなげる「コキ」というパーツには、通常はプラスチック素材が使われているが、プラスチック素材に違和感があり、このパーツ自体も経年変化する素材を起用することを決意。同区内の鋳造メーカー「東日本金属」の力を借り、ゼロから真鍮の「コキ」を開発。真鍮金具作りは、本体の型を作りから砂型を起こし、凹みに液状の金属を流し込み、ひとつひとつ人の手で行われる。その工程にまさかここまで手作りかと衝撃を受けた。
昔ながらの製法で真鍮部品を鋳造するその姿に、己もこれに見合うアイテムを作らなくてはと襟を正される思いで挑んだ。連結している部品をひとつひとつ外し、バリを取り、磨き上げる。革ひもの滑りが悪くならないように穴の中も丁寧に削り込む。こうして、黄銅色に輝く合切袋専用金具がようやく完成する。その後、ハンマーでカツンと真鍮釘を打ち付けながら、一個一個取り付けていく。
紐においても本体と同革にこだわり、金具の穴に通すため、縫製できるギリギリまで細くした。革紐も本体も使い続けることで色味がどんどん落ち着いていき、ツヤがさらに増していく。真鍮金具も同様に、徐々にくすみが増し渋好みの風合いへ。
シンプルに内側にオープンポケットを2つ付け、使い勝手も配慮。育つ合切袋。カラーは4色をご用意。世を席巻中の「ミニバッグ」のバリエーションの一つとして、小粋に手に提げていただきたい。
*画像/ライティング提供元:
日本をテーマにした至極の逸品に出会えるサイト『藤巻百貨店』fujimaki-select.com