漆塗りは縄文時代から続く、世界に誇る日本の伝統文化です。長い歴史を持つ漆ですが、漆器として庶民の生活にも息づいてきたのは江戸時代からです。徳川政権により長く平和が続いたこの江戸時代には日本各地でさまざまな伝統文化が発達しましたが、漆器もその一つです。それまでは、貴族や武士、豪農商など特権階級のものであった漆器が、庶民の間でも親しまれるようになり今日にいたっています。
先代から受け継いだ伝統技術を磨き、建築漆塗りの第一人者として東京マイスターに認定されている。文化財の修理や修復も手がけるかたわら、日常の生活品にも本物をとの想いから、さまざまな漆製品を生みだしている。
安宅 信太郎(あたか しんたろう)
1991年 すみだマイスター認定
2007年 墨田区登録無形文化財認定
2010年 東京マイスター認定
2011年 墨田区伝統的技術保持者認定
■略歴 ≪漆工として手がけた主な建物≫
・長野県の善光寺、鎌倉の建長寺、池上の本門寺、
竹下夢二特別記念館、国立能楽堂等の漆工
・江戸東京建物園高橋是清邸、目黒雅叙園等の文化財修理修復
安宅漆工店は、昭和10年に先代が創業した漆塗りの店。
伝統を継承しつつ現代に生きる製品を開発する安宅漆工店では、さらに未来に向け、地元の中学生をはじめ全国から訪れる学生たちに、伝統工芸の技術・文化を体験学習を通して伝える活動も続けている。