千葉県の北西部、東京湾の奥に位置する浦安市。テーマパークやリゾートホテルが立ち並び、都会的なイメージがありますが、実は漁師町として古くから栄えてきた歴史があります。江戸時代から昭和の半ば頃までは、市内を流れる堺川や船圦(ふないり)川の川岸に千数百隻の漁船が連なり、壮観な光景が広がっていたのだそう。
そんな漁師町の風情を残す浦安市の返礼品には、「釣り船乗船」のほか、「浦安乗合屋形船」ペア乗船券もあり、東京湾を舞台に、海と触れ合う体験を大切にしています。釣り船は、「浦安遊漁船協同組合」に所属する二つの業者「船宿 岩田屋」と「船宿 吉野屋」から選べます。今回は「船宿 吉野屋」の船に乗り込み、「釣り船乗船」を体験してきました。
「船宿 吉野屋」は、東京メトロ東西線 浦安駅から徒歩5分ほど。明治時代創業の浦安を代表する老舗の一つで、作家・山本周五郎の名作『青べか物語』にも、船宿「千本」のモデルとして登場しています。吉野屋では、大型快速船14隻を持ち、一年中多彩な釣りを楽しむことができます。優しい笑顔で迎えてくださったのは、吉野屋の長男・吉野公大(きみひろ)さん。釣りはほぼ初めての私に、丁寧に手順などを説明してくださり、「たくさん釣ってきてくださいね」と送り出してくれました。常連客の多い吉野屋ですが、初心者や女性、家族連れなども大歓迎の船宿です。