2015年銘柄牛肉ハンドブックによれば、宮城県には12のブランド牛があるといわれています。
①仙台牛、②仙台黒毛和牛、③新生漢方牛、④宮城日高見牛、⑤黒毛和牛日高見、⑥石巻黄金和牛、
⑦蔵王牛、⑧三陸金華和牛、⑨あじわいビーフ、⑩たんち牛、⑪うしちゃん、⑫松島和牛です。
宮城県のブランド牛がすべて仙台牛になるわけではありません。
次の4つの条件を全部満たしている牛が、仙台牛となります。
1) 品種が黒毛和種であること。
2) 仙台牛生産肥育体系に基いて、個体(牛)にあった適正な管理がされて、
宮城県内で肥育されたものであること。
3) 仙台牛銘柄推進協議会が認めた市場や共進会などに出荷や出品された
ものであること。
4) 日本食肉格付協会枝肉取引規格が、「A5」及び「B5」であること。
・・・そうなんです、仙台牛は肉の格付けランクが、A5とB5のものだけなのです!
全国には、200を超えるブランド牛がありますが、
その中でも肉質等級を最高の「5」に限定しているブランド牛は、仙台牛だけです。
例を挙げれば、お隣、岩手県の前沢牛や兵庫県の神戸ビーフは、肉質等級が5~4。
山形県の米沢牛は5~3、松阪牛と近江牛は5~1と幅が広くなります。
つまり、「仙台牛」は最高等級の「5」の高い品質と優れた食味を保障する、最高の牛肉の証なのです。
仙台牛のルーツは、昭和49年に宮城県畜産試験場が兵庫県から導入した、
種牛「茂重波号」(しげしげなみごう)にさかのぼります。
茂重波号は、兵庫県の名牛と呼ばれている、「茂金波号」(しげかねなみごう)の子どもです。
茂重波号の血筋を引く牛で肥育方法の改良や、長い期間の品質改良を積み重ねて、仙台牛が生まれました。
平成13年に日本を代表する種牛「茂洋号」(しげひろごう)が誕生し、
全国的にも、60%を超えれば優秀といわれる、5等級4等級の占める割合である、
上物率が、茂洋号では、80%を超えるという驚異的な数値となりました。
仙台牛の飼料は、宮城県のお米の主要銘柄である、
「ササニシキ」と「ひとめぼれ」などの「稲わら」を代表とする品質のよい自然飼料が中心です。
また、きれいなおいしい水、豊かな自然環境と、生産農家のたゆまぬ努力と英知の積み重ね、
そして優秀な血統などがひとつなって、仙台牛という全国に誇れる和牛となっています。
数年前までは、美食家や食通のなどの「知る人ぞ知る仙台牛」だったのです。
現在では、全国的に認知度が上がってきました。
テレビや雑誌、インターネットでも「仙台牛」という文字を
目にしたり耳にすることが多くなっており、生産者としてはうれしい限りです。
おいしい仙台牛を多くの方に知ってもらい、味わっていただけるよう、
仙台牛の生産農家は、一層の努力をしていきます。