山地(やまち)酪農実践の拠点であるなかほら牧場は、三陸海岸から20kmほど入った山間部、標高およそ700~850mのところにあります。
岩手県の約6割を占める北上山系はなだらかな地形にカエデ・マツ・ナラなどの山林が広がり、野生動物も多く生息する自然豊かな土地です。
山地酪農では年間を通して屋外で放牧します。もちろん昼夜の区別なく。
冬は寒さで凍えるのでは?と思われるかもしれませんが、牛たちは意外と平気。体を寄せ合って寒さをしのぎ、太陽が昇ると元気に乾草を食みます。むしろ夏の暑さの方が苦手のようです。
牛たちは、広大な放牧地を一日中歩きながら草を食べ、夕方4時くらいになると麓の牛舎に搾乳のために自分たちで集まってきます。そして搾乳が終わるとまた放牧地へ。
食事も、排泄も、運動も、休息もすべては牛たちの意思のまま。自然の中で本来の生理・生体にそったストレスのない生活を営んでいます。
なかほら牧場は、一年を通して山に牛を放牧する「山地酪農」。できるだけ”ありのまま”に近い姿でゆったりと生きる牛は、太陽と月と雨の恵みだけで育つ野シバ・木の葉・クマザサなどの野草(もちろんすべて無農薬・無肥料)や国産の無農薬乾草を食べてご機嫌に暮らし、自由に仔牛を産み育てています。
ポイントは、通年昼夜放牧・自然交配・自然分娩・母乳哺育といった自然放牧と、自生する野シバ主体の粗飼料飼育。牛の食性としての草食、そして本来行動をできるだけ守るのが中洞牧場の酪農です。
もちろん、問題とされるホルモン剤(BST)の投与もありません。